~宇宙とつながる呪術道具、「トート・タロット」の魅力~

 今日は、トート・タロットの個人授業をしました。熱心に勉強してくださるお弟子さんとのマンツーマン授業もそろそろ佳境、来月には最終回を迎えます。

「なぜ、ウエイト版(ライダー版)タロットではなくて、トートなのですか?」と聞かれることが、時々あります。

 私は、鑑定の時と、完全マスター講座ではトート・タロットのみを使います。ウエイト版のタロットももちろん持っていて、以前は鑑定でも使用していましたが、やはりトートをきちんと学んでからはトートだけになりました。

始めて買ったウエイト版タロットは、今では古くからの友人のような存在で、自分自身のことを占うときだけ、美しい絵柄でそっと語り掛けてくれる大切な宝物です。

 トート・タロットの魅力を一言でお伝えすることは難しいのですが、やはりまず第一に、その絵柄の芸術性の高さと美しさが挙げられると思います。

トート・タロットは、1940年代にイギリス人魔術師の「アイレスター・クロウリー」によって考案され、同じくイギリス人女流画家の「フリーダ・ハリス」によってその絵柄が描かれました。

繊細に、緻密に、そして息をのむほどに美しく描かれたトート・タロットの絵は、どの一枚を手にとっても、強烈な印象を私たちに与えてくれます。

そして、トート・タロットの構成・ロジックを学ぶうち、その絵柄があらわす意味あいがいかに深く、計算しつくされたものであるかがわかり、驚かされます。

(トート・タロットが世に出た経緯や、ウエイト版タロットとの構成の違いについては、今回割愛します。)

 現在世に出回っているウエイト版タロットは、構成にルールがあるものの、伝統的なデザイン以外にも様々な絵柄のものがあり、デッキごとの個性を楽しむことができます。

一方でトート・タロットは、基本的には一種類の絵柄しかありません。それだけ、絵がカードの解釈に強い影響力を持っていることの現れなのではないかと私は考えています。

一枚一枚、静かに見つめていると時間を忘れ、まるで吸い込まれてしまうような感覚になることすらある、トートの絵が、私は大好きです。

 また、トート・タロットは、スプレッドを立てる(占いの結果としてカードを並べる)際に、逆位置(カードが逆さまに置かれいている状態)で意味を読むことをしません。

これは、ウエイト版タロットとの大きな違いと言えます。

クロウリー本人がトートのロジックを考案した時点で、「逆位置をとらない」と決めたかは定かになっていないのですが(おそらくそうではない)、私はこの「正位置だけでスプレッドを立てる」という占い方もとてもしっくりきます。

なにより、シャッフルしたカードを表に返しながらスプレッドを立て、すべてを正位置に戻した時に目に入る光景が、逆位置が混ざっているときよりも、美しいと感じます。

そもそも「絵」というのは、画家が当然ながら上下をつけて描いた芸術作品なわけですから、わざわざそれを逆向きにしなくてもよいのでは…と思うのです。

そしてトート・タロットは、正位置のカードの中に〈ポジティブ〉と〈ネガティブ〉の両方の意味合いを含んでいて、どちらの意味として解釈するかは、その時のご相談内容、周囲に出ているカードとの兼ね合い、占い師の直感など複数の要素をかけ合わせて判断します。

この「読み」の瞬間も、深い集中力と洞察力・明晰な思考力を求められているようで、それでいて宇宙と対話しているような感覚にもなり、とても面白いのです。

カード・リーダーとしての技量を試されているようにも感じるので、持てる力のすべてを結集させて毎回のリーディングを行っています。  

 最後にもう一つだけ付け加えるなら、トート・タロットはその解釈と構成が、西洋占星術・ひいては宿曜占星術と密接に関係しています。

そのため、それらの命占術(生年月日で占う占術)と同時に学ぶことで、トートがもはや卜占術(ぼくせんじゅつ=道具を使用し、偶発的に出た現象を占いの結果として読む占術)の領域をはるかに超えた、最強の呪術道具であるということに気づかせてもらえるのです。

その歴史は他と比べて浅かれど、はかり知れない深さを持っているのが、トート・タロットです。

トート・タロットで、占ってみたい。(占ってもらいたい)

実際に見て、触れてみたい。

ウエイト版タロットとの違いを詳しく知りたい。

そのように思われたら、ぜひご一報ください✨

78枚のカードと対話しながら、宇宙の叡智と共鳴する感覚を味わっていただける、青山零のトート・タロットの世界へとご案内いたします。

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