【宿曜占星術×トートタロット】最終回(8/8)

 8/9 昴宿の日 大地のコートカード

~すべての終着点に、大地がある理由~

 明日8/9は、昴宿の日。

昴宿は、活動の火である羊宮に1足、不動の大地である牛宮に3足属し、西洋占星術12サインとの対応は、牡羊座と牡牛座です。

 およそ一か月前、同じ昴宿の日に牡羊座のカードからスタートした【宿曜占星術×トート・タロット】の特集。

 宿曜暦が一周巡って再び昴宿の日となり、残るカードはディスクのコートカードのみとなりました。

 タロットカードにはスモールカードのスートにも決められた順番があり、アテュ(大アルカナ)の後、最初に来るのはワンド(火)、次にカップ(水)、そしてソード(風)、最後にディスク≒ペンタクル(地)の順となっています。

 つまり、トート・タロットおける78枚最後のカードは、ディスクの10。

 無限の可能性を秘めた胎児でもある「0 愚者」の旅路は、なぜディスクの10で終わるのか。

 今回はその解説も含めて、大地のコートカードをご紹介します。

【Knight of Discs】 ディスクのナイト(地の宮の火)

【Queen of Discs】 ディスクの女王(地の宮の水)

【Prince of Discs】 ディスクの王子(地の宮の風)

【Princess of Discs】ディスクの王女(地の宮の地)

 大地のエネルギーは、現実・実利・お金を表します。

ディスクの一家は、すべてのスートを通じて最も現実的で、実利を追求し、それらを「豊かさ」として得ている人々です。

 ディスクのナイトは、土地や不動産・何かを継承することの暗示のカード。その落ち着いた雰囲気は、いかにも会社の重役、あるいは社長などの「組織の中の高い役職」を連想させるのではないでしょうか。

 兜には鹿の羽飾り。まとっているのは強固な鎧、手にするのは重厚な盾。これは、ワンドのナイトとは真逆の、圧倒的に攻撃より守備にウェイトが置かれていることの象徴です。

 また、手に持っているのは「棍棒」で、これは古来農機具として使われていたもの。

 寄り添う馬に動きはなく、スピード感はゼロです。しかしこのうまがあらわすのは「馬力」そのもの。

 ここでは「速さ」は不要とされ、必要なのは馬力(≒持久力)であることが言われています。

 ディスクのナイトは、いかにも穏やかそうな風貌ですが、実は「最後の砦」となる人でもあります。

 普段はおとなしいながら、大きな岩のような存在感があり、この人の鶴の一声で、結果がすべて決まるような影響力を持っています。

「怒らせると最も怖い人」のポジションも、このカードがあらわあします。

 ディスクの女王は、「超実利主義」、「現実的な豊かさ」の象徴のカードです。

 パイナップルの玉座に座り、山羊の角が生えた冠をかぶっています。見つめる先には、豊かな水をたたえた川と砂漠。これは、「水」と「地」の象徴。従えているのは、山羊です。

 非常に穏やかで、良妻賢母という言葉が似あう女性が優雅に座っている様子ですね。

 しかしこのカードは、少し冷静に分析してみると、やや恐ろし気な一面も。

 ディスクの女王の周りにあるのは、すべてが「実利」なのです。

 のどが乾いたら、川の水を飲み、お腹がすいたらパイナップルを食べる。山羊は毎日お乳を出してくれ、もしお金に困ることがあれば、その角を売って収入を得ることができます。

 そして万が一、究極的な飢餓に陥ってしまったときは、山羊そのものでお腹を満たすことができるのです…。

 ディスクの女王は、すべてにおいて「自分の役に立つか」を考え、役に立たないと判断したものはかわいいと思えない気質を持っています。

 このように言うと、まるで血も涙もない女性のように感じるかもしれませんが、「良き妻、賢き母」とは、そういう人のことを言うのかもしれません。

 家計をきっちりと管理し、「お買い得」なものを手に入れ、少しでも収入を上げる。家族が「豊かさ」を手にするためには、ディスクの女王のようなたくましい女性が「家内」として家を守る必要があるのでしょう。

 ディスクの王子は、若いのに落ち着いている男性、計画性のある青年を意味します。

 右手に持つ棒の先には、成就の象徴の十字架。左手で抱えるのは、数理の球体です。牝牛の引く荷車は非常に頑丈で、ここでもスピードより力があることが重要視されています。

 農作業に従事する王子は裸ですが、これも実はプラクティカル、実用性の象徴。

 例えば衣服を何着も着て、しっかりとした靴を履いていると、それらが汚れてしまったとき、ふたたび清潔な状態にするのは案外時間がかかります。

 しかし、衣服を身に着けず、足元も裸足かぞうりのような簡単なものであったらどうでしょうか?

 汚れたら、さっと流せばそれで完了です。

 王子が持つ風のエネルギーは、頭脳明晰で、物事を効率化するのが得意。そこに、建設的な大地のエネルギーが加わることで、最も効率よく最大の成果を得る、というプロセスがこのカードの中に現れています。

 そしてディスクの王女は、大地のエネルギーの究極の姿。

王女のお腹がやや膨らんで描かれていることから、ダイレクトに妊娠の暗示と読むこともあり、あるいは妊娠している女性をあらわすこともあります。

 まとっている羊毛のガウンは足元長く垂れ、陰陽のディスクを抱えています。右手の棒の先にはダイヤモンドがついており、これはダイヤモンドで大地を叩いて、金脈を探している姿だと言われています。

「妊娠」というのは、この世における「生み出す」エネルギーの最大のものであり、「生産」は、大地のエネルギー(つまりは女性性)無くしては、決して成しえないものであることをあらわしています。

 さて、トート・タロットの終わりのスートが、なぜ「ディスク」なのか。

 この答えを一言でいうならば、非常に衝撃的ではありますが、

「この世は最終的にはお金」

というクロウリーの哲学が、そこにあるということなのです。

これを聞くと、ものすごく嫌悪感を感じる人もいるかもしれません。

しかし、地球上で「貨幣」というシステムを使っている動物は、人間だけ。

つまり逆の言い方をすれば、

人間であるからこそ、「貨幣の価値」を大事にする宿命を背負って生まれてきている、ということなのです。

夢を見て(水)、大志を抱き(火)、知識を学ぶ(風)ことももちろんとても大切なこと。

しかし現実的に何かを「始める」「生み出す」ためには、お金(地)もまた、絶対に必要なものなのです。

お金に対して、良いイメージを持ちましょう。

 私たちが得る「お金」は、「ありがとう」の気持ちが目に見える形となったものです。

 また、そのようなルーツから発せられるお金で、豊かになっていきたいものですね。

 あなたにとって、「お金」とは、どのようなものですか??

 お金をたくさん持っている人が、すべて悪人のように感じるなら、その意識を今日から一新させて、まずはあなたがお金から好かれる人になりましょう。

 時を越えて、アイレスタークロウリーの世界観と哲学を届けてくれるトート・タロットは、時として厳しく、時として優しいメッセージを私たちに投げかけてくれます。

 トート・タロットを手にしている瞬間はとても霊的で、宇宙のエネルギーとのつながりを感じられるスピリチュアルな時間。

 みなさんもぜひいつか、そのカードの一枚一枚に触れ、時空を超えて宇宙から伝わる叡智と哲学を、感じ取ってみてください。

2023.8.8

エネルギーの節目の日

8/9 昴宿 へ、新たなサイクルに向かう、終焉のとき。

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、「Knight of Disks Queen ofDisks Prince of Disks Princess Û of Disks」というテキストの画像のようです